「シーケンシングの課題」

インタビューカナダ、バンクーバー
Barbara Melosky、MD、FRCPC、University of British Columbia and British Columbia Cancer Agency

Barbara Melosky - ASCO 2018
© author’s own

アファチニブは、肺扁平上皮がん患者の二次治療薬として認可されています。アファチニブとペンブロリズマブの併用療法を試験中です。このレジメンから何が期待できるでしょうか?
非常に興味深いレジメンだと思います。アファチニブが肺扁平上皮がんに役に立つことがわかっています。LUX-Lung 8試験では、エルロチニブよりもPFSおよびOSが改善されることが示されました[1]。カナダで行った試験では、二次治療としてエルロチニブを使うことが扁平上皮がんで有効だと示されています[2]。アファチニブが非常に有用な薬剤であり、腫瘍PD-L1発現患者においてペムブロリズマブがプラチナダブレット療法後の扁平上皮がんに有効性があることもわかっています。したがって、これら2つの薬剤を併用することは非常に興味深いと思います。現在進行中の第2相試験では、腫瘍サイズの縮小をみています[3]。この併用は忍容性が良好であるはずなので、奏効率の改善が見られることを願っています。

他の薬剤と抗EGFR剤との併用はさらに考えられますか?
EGFR TKI治療への抗血管新生の追加は確かに検討する価値があります。今年のASCO学会では、エルロチニブと抗VEGF抗体ベバシズマブの併用で得られた興味深いデータが確認できました[4]。この第Ⅲ相試験では、エルロチニブ単独の効果よりもエルロチニブ+ベバシズマブ併用の優位性が証明され、3ヶ月以上のPFS効果が得られま
した。

ARCHER 1050試験に基づいて、ダコミチニブは、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん患者に対する一次治療の標準選択肢として考えられますか?
昨年のARCHER 1050試験には驚きました。Dr. MokはPFSの結果を発表したとき、ゲフィチニブに対するダコミチニブの有益性を実証しました[5]。ARCHER 1050試験のOS解析は良好でした[6]。これは、OS効果を示す最初のEGFR TKI試験であることを意味します。他の試験でもOSに有意な差異はありませんでした。そのため、 ベースライン時に脳転移がない場合、ダコミチニブをEGFR変異陽性非小細胞肺がん患者対象の標準一次治療と考えることができます。ARCHER1050試験では脳転移の患者は含まれていませんでした。

臨床的観点からは、一次治療のオシメルチニブと比較して、オシメルチニブに続くアファチニブのシーケンスをどのように評価しますか?
FLAURA試験[7]の肯定的な結果により、オンコロジストは、T790変異を有する第1世代または第2世代のEGFR TKI患者のオシメルチニブを進行の初めか後のどちらに使用するかをすぐに決定しなければいけません。試験担当医が評価したPFSが18ヶ月以上で毒性が良好であることから、治療目標が必ずしもOSではない患者にとって、オシメルチニブは理想的であるとされます。対照群は第1世代のEGFR TKIに無作為割り付けされており、クロスオーバーは許容されていましたが、理想的ではなく、FLAURA試験はシーケンシングの課題に答えることはできないとされています。FLAURA試験のオシメルチニブ群またはAURA3試験[8]のオシメルチニブ群のOSが不明である限り、シーケンシングの課題は残ります。
LUX-Lung 3試験では、19欠損の患者を対象にした化学療法と比較してアファチニブのような第二世代のTKI は33ヶ月の統計学的に有意なOS効果があると証明しました[9]。今年のASCO学会で、ARCHER 1050試験では、ゲフィチニブと比較してダコミチニブの統計的なOS効果を示しました[6]。完璧な試験はありません。すべての患者に対してオシメルチニブ治療を開始するのですか?それとも、第一世代または第二世代のEGFR TKIの後にサブセットのみでそれをシークエンスするのですか?答えはまだ見つかっていません。このような決定を下すには、年齢、変異の種類、全身状態、脳転移などの個々の患者の特徴を考慮する必要があります。良いニュースは、このような議論の場があることで他の課題が新たに見つかり、後々患者に利益が返還されるということです。

参考文献

  1. Soria JC et al., Afatinib versus erlotinib as second-line treatment of patients with advanced squamous cell carcinoma of the lung (LUX-Lung 8): an open-label randomised controlled phase 3 trial.Lancet Oncol 2015; 16(8): 897-907
  2. Shepherd FA et al., Erlotinib in previously treated non-small-cell lung cancer.N Engl J Med 2005; 353: 123-132
  3. Levy B et al., Afatinib in combination with pembrolizumab in patients with stage IIIB/IV squamous cell carcinoma of the lung.J Clin Oncol 36, 2018 (suppl; abstr TPS9117)
  4. Furuya N et al., Phase III study comparing bevacizumab plus erlotinib to erlotinib in patients with untreated NSCLC harboring activating EGFR mutations: NEJ026.J Clin Oncol 36, 2018 (suppl; abstr 9006)
  5. Mok T et al., Dacomitinib versus gefitinib for the first-line treatment of advanced EGFR mutation positive non-small cell lung cancer (ARCHER 1050): a randomized, open-label phase III trial.J Clin Oncol 35, 2017 (suppl; abstr LBA9007)
  6. Mok TS et al., Improvement in overall survival in a randomized study comparing dacomitinib with gefitinib in patients with advanced non-small cell lung cancer harboring EGFR-activating mutations.J Clin Oncol 36, 2018 (suppl; abstr 9004)
  7. Soria JC et al., Osimertinib in untreated EGFR-mutated advanced non-small-cell lung cancer.N Engl J Med 2018; 378(2): 113-112
  8. Mok TS et al., Osimertinib or platinum-pemetrexed in EGFR T790M-positive lung cancer.N Engl J Med 2017; 376: 629-640
  9. Yang JC et al., Afatinib versus cisplatin-based chemotherapy for EGFR mutation-positive lung adenocarcinoma (LUX-Lung 3 and LUX-Lung 6): analysis of overall survival data from two randomised, phase 3 trials.Lancet Oncol 2015; 16(2): 141-151

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