PD-(L)1阻害薬の単独療法と併用療法:最新の免疫療法の洞察

一次治療、ペンブロリズマブ単剤: KEYNOTE-042試験

転移性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者の化学療法と比較して、抗ヒトPD-1モノクローナル抗体ペンブロリズマブ単独療法は、臨床的エンドポイントを有意に改善した[1,2]。KEYNOTE-024試験では、無増悪生存期間(PFS)に加えて全生存率(OS)の改善が示された。さらに、ペンブロリズマブを投与された患者の方が、化学療法を受けた患者よりも安全性が優れていた[2]。
転移性非小細胞肺がんに対して効果があり忍容性の高い一次ン治療のレジメンのニーズが満たされていないため、KEYNOTE-042では、PD-L1(腫瘍比率スコア[TPS] ≥ 1%)を発現しているがEGFRとALKは陰性である未治療の局所進行または転移性肺腫瘍がん患者を対象にペンブロリズマブの役割を検討した[3]。患者は、3サイクル毎に200mgのペンブロリズマブ(Q3W)を35サイクルまで、またはプラチナベースの化学療法レジメンを6サイクルまで受けた。つまり、カルボプラチンAUC 5または6をQ3W+パクリタキセル200mg /m2をQ3WまたはカルボプラチンAUC5または6をQ3W+ペメトレキセド500mg /m2をQ3Wの投与とした。実施計画書にクロスオーバーの規定はなかった。
各群には637人の患者が登録し、そのうち約40%が扁平上皮がんであった。PD-L1 TPSは、50%近くの症例で50%以上であったのに対し、約3分の1はTPSが1%〜19%であった各群とも約17%に20%〜49%のPD-L1発現がみられた。主要評価項目はOSとし、PD-L1 TPS 50%以上、20%以上、および1%以上で順次評価される。

PD-L1発現のベネフィット

KEYNOTE-042は、上述の集団を対象に、OSを主要評価項目として、プラチナベースの化学療法よりもペンブロリズマブの優位性を実証する初の研究だ。事前定義された全てのTPS群において、ペンブロリズマブの投与は生存率を有意に改善した。以前の転移性非小細胞肺がんの試験と同様、PD-L1発現が高ければ高いほど、ペンブロリズマブ関連の治療効果が高かった。OSのHRは、PD-L1 TPS 50 %以上、 20 %以上および 1%以上でそれぞれ0.69、0.77および0.81だった。TPS50%以上の群では、ペンブロリズマブおよび化学療法で、OS中央値がそれぞれ20.0ヶ月 vs 12.2ヶ月だった。(p = 0.0003; 図 1)。
24ヶ月時点の生存率はそれぞれ44.7 % vs 30.1 %であった。PFSはプロトコル指定の有意差がなかった。研究はまだ進行中であるため、この結果は追加の経過観察に基づき再評価される。
奏効期間(DOR)はペンブロリズマブ群のほうが長かった(20.2ヶ月vs 8.3ヶ月)が、奏効率では、ペンブロリズマブ群と化学療法群の間に有意差はなかった。(TPS ≥ 50 %, 39.5 % vs. 32.0 %; TPS 1 % - 49 %, 16.6 % vs. 21.7 %)これは、PD-L1の全発現レベルで同じである。
治療薬の使用期間は長かったが、化学療法よりも免疫療法のほうが治療関連有害事象(AE)の発生が少なかった。優れた安全性プロファイルは、PD-L1陽性全レベルにおいて、ペンブロリズマブが適切な治療選択肢であることを示唆している。総体的にこのようなデータから、PD-L1発現腫瘍患者の標準的な一次治療としてのペンブロリズマブ単独療法の有効性が確認され、その役割が広がる可能性がある。

図1:KEYNOTE-042のTPS50%以上コホートにおけるペンブロリツマブvs化学療法で得られた全生存率

 

扁平上皮がんにおけるペンブロリズマブの評価

非小細胞肺がんの非扁平上皮がんにおいてペンブロリズマブは化学療法単独よりもOSを有意に改善したため[4]、扁平上皮がんでの評価が次のロジカルなステップとなった。KEYNOTE-407では、ステージIVの未治療の非小細胞肺がん患者と扁平上皮がん組織を有する患者を対象に、ペンブロリズマブ200mg Q3W +カルボプラチンAUC 6 Q3Wおよびパクリタキセル200mg /m2 Q3Wまたはナブパクリタキセル100mg /m2を投与を4サイクル投与して、プラセボ+同じ化学療法のレジメンと比較したした。この治療終了後、ペンブロリズマブまたはプラセボのいずれかを31サイクルまで投与した。ペンブロリズマブ+化学療法またはプラセボ+化学療法をそれぞれ受けた278人および281人の患者のデータを第2回中間解析に含めたところ、これが、PFSおよびOSの初回解析となった[5]。両群で、患者の約35 %が1 %以上PD-L1 TPSを示し、37 %がTPS 1 %〜49 %であった。PD-L1高発現(50%以上)は、各治療群の症例のわずか26%と記録された。
ペンブロリズマブを追加することで、化学療法単独よりOSが有意に向上した(15.9 vs. 11.3ヶ月; HR, 0.64; p = 0.0008)。延命効果はTPSカテゴリー全体で約60%の同様のHRを示し、PD-L1発現とは無関係に生じた。一貫して、チェックポイント阻害療法を受けた患者は、無増悪生存期間(PFS)(ITT集団で6.4 vs. 4.8ヶ月; HR, 0.56; p <0.0001)、客観的奏効率(ORR; 57.9 % vs. 38.4 %)および奏効期間(DOR 7.7 vs. 4.8ヶ月)の成績が良好であった。 PFSの場合、PD-L1発現との関連性の大きさはTPS≧50%群で63%という最も高いリスク低下を示した。
有害事象(AE)の発生率および重症度は、2つの治療群で同様だったが、免疫介在性AEは被験群でより頻繁に発生し、治療中止に終わった。免疫介在性AEの発生率および重症度は、ペンブロリズマブ単独療法の既知のプロファイルと一致した。これらのデータを基に、ペンブロリズマブ+ カルボプラティンとパクリタクセルまたはナブパクリタクセルは、PD-L1発現とは無関係の転移性扁平上皮非小細胞肺がんの標準一次治療になるはずであると結論付けた。

扁平上皮非小細胞肺がん対象アテゾリズマブ治療:IMpower 131

KEYNOTE-407と同様に、IMpower 131試験では、扁平上皮非小細胞肺がんステージIVおよびあらゆるレベルのPD-L1を有する化学療法未治療の患者を対象に、化学療法単独と比較するために、PD-L1阻害剤アテゾリズマブ+化学療法の併用療法を4サイクルまたは6サイクルで評価した。A群はアテゾリズマブとカルボプラチン+ パクリタキセルを投与されたが、B群はアテゾリズマブに加えてわずかに異なる化学療法レジメン(カルボプラチン+ナブパクリタキセル)を受けた。ランダム化によりC群(すなわち対照群)となった患者には、カルボプラチン+ナブパクリタキセルを投与した。これに続く維持療法として、被験群はアテゾリズマブを受けたが、C群はベストサポーティブケアとした。各群とも患者は約340人であった。ASCO学会では、特にB群とC群の比較結果が提示された[6]。
試験担当医が評価したITT集団のPFSは、アテゾリズマブベースの併用のほうが良好であった。(6.3 vs. 5.6 ヶ月; HR, 0.71; p = 0.0001)12ヵ月で、被験群のPFS率は対照群のPFS率の2倍(24.7 % vs 12.0 %)であった。予め設定された全サブグループでアテゾリズマブ併用群が優れるという結果が出た。PFSの成績はPD-L1発現が高いほど良好であったにもかかわらず、これにはPD-L1発現コホート群も含まれた(図2)。同様に、B群において、特にPD-L1を最も高いレベル(ORR, 60 % vs 33 %)で発現する群において、奏効がより顕著であった。DORは、PL-D1の全サブグループで長くなり、PD-L1高発現群(18.7 ヶ月vs 5.3ヶ月)で最も差が大きかった、このコホートのうちアテゾリズマブによる治療を受けた患者のほとんどが、評価時にまだ奏効が続いていた。
最初のOS中間解析では、2つの群に差はなかった。(B群とC群それぞれ14.0ヶ月 vs 13.9ヶ月)PD-L1の発現状況に応じて解析すると、高発現の患者ではアテゾリズマブによる治療のほうがOSが良好であったが、低発現の場合には化学療法単独のレジメンで改善された。これについて考えられる原因を検討しているところである。PD-L1発現のない患者では、2つの治療に差はなかった。安全性解析は、アテゾリズマブ+化学療法が安全性の面で管理可能であることを実証した。安全性に関する新たな懸念は特定されなかった。OSの追跡は継続され、2018年後半に次の中間解析が行われる予定である。

図2:IMpower131:事前定義されたPD-L1発現サブグループにおける治験参加医師の無増悪生存期間評価

 

VEGF阻害剤+抗PD-L1抗体

免疫チェックポイント阻害剤、化学療法および抗血管新生剤は、相乗効果を発揮すると仮定されている。例えば、アテゾリズマブによってもたらされるT細胞媒介がん細胞死滅が、免疫調節効果を発揮するVEGF阻害剤ベバシツマブによって増強される可能性がある[7]。
このため、IMpower150試験では、アテゾリズマブ+カルボプラチンとパクリタキセル(A群)とアテゾリズマブ、化学療法とベバシズマブ(B群)、化学療法+ ベバシズマブ(対照群、C群)からなるレジメンで比較した。それぞれ4または6サイクル行った。維持療法には、アテゾリズマブ(A群)、アテゾリズマブ+ベバシズマブ(B群)、またはベバシズマブ(C群)を投与した。PD-L1発現レベルに関係なく、化学療法未治療のステージIVまたは再発転移性の非扁平上皮非小細胞肺がんを有する400人を各群に取り入れた。無作為化された全患者(ITT集団)のうち87%は、EGFR または ALK の遺伝子変異を有していなかった(ITT-WT集団)。さまざまな主要評価項目と副次評価項目が設定された。2017年、IMpower150試験はC群と比較してB群全体でPFSの結果が良好であると報告しており[8]、2018年
3月にはOSに関する別の解析が良好な結果を示した[9]。

特定のサブグループにおける新しい標準治療

2018年ASCO学会で発表されたITT-WT集団の最新PFS解析では、B群vs C群(HR, 0.59; p < 0.0001)の中央値は8.3vs6.8ヶ月であった[10]。12ヶ月時点で、PFS率は38 % vs 20 %であり、18ヶ月では27 % vs 8 %であった。同様に、ベバシズマブと化学療法にアテゾリズマブを追加するレジメンは、ITT-WT集団に臨床的に有意義で有意な延命効果をもたらし、リスク減少が22%であった(OS中央値19.2ヶ月 vs 14.7 ヶ月;HR, 0.78; p = 0.0164)。
24ヶ月時点のOS率は43 % vs 34 %であった。
主なサブグループの複数の解析がPD-L1発現の全コホートに延命効果がみられたことを実証した(図3)。さらに、EGFR/ALK遺伝子変異陽性の肝転移のある患者と主なサブグループ全部に、ベバシズマブ追加によるOS延長があった。A群(アテゾリズマブ+化学療法)とC群におけるOS比較においては、A群に有利な傾向が観察された(19.4 vs. 14.7ヶ月; HR, 0.88)。このアウトカムは、最終解析で再び検証される予定だ。ITT-WT集のA群とC群をさらに比較したが、肝転移またはEGFR/ALK陽性による有意な延命効果は示されなかった。これらの結果は、抗VEGF治療と抗PD-L1療法における相互作用によるものであろう。
ORRに関して、B群は他の2群より優れており、PD-L1高発現を示す患者のコホートにおいて最も高い69%の奏効率を生じた。IMpower150試験では、アテゾリズマブ+ベバシズマブと化学療法の併用が、特に今回の試験で研究された主要集団において、新しい標準治療となるだろうと示している。

図3:B群C群全体にわたるIMpower150の主要サブグループにおけるOS結果の比較:アテゾリズマブの追加による一貫した利点

 

CheckMate227試験:PD-L1陰性患者におけるニボルマブ

大規模ランダム化第3相臨床試験CheckMate 227では、進行非小細胞肺がん患者を対象に、一次治療としてニボルマブベースの療法と化学療法が比較された。腫瘍遺伝子変異量(TMB)が高レベル(10変異/Mb以上)の患者では、ニボルマブとイピリムマブの併用によってPFS が延長し、共主要(co-primary)評価項目が達成された[11]。PD-L1発現レベルが1%未満の患者では、化学療法に抗PD-(L)1療法を追加することで、化学療法単独の患者に比べてPFSのHRが0.75および0.77になりアウトカムが向上することが最近の研究でわかった[4,12]。
したがって、2018年ASCO学会で発表されたCheckMate 227試験の解析は、PD-L1陰性(PD-L1発現<1%)コホートを対象に、ニボルマブ360mg Q3W+組織型に基づく化学療法(n = 177)と組織型に基づく化学療法単独(n = 186)を比較することに重点を置いた[13]。扁平上皮がんと非扁平上皮がんのいずれの患者も含めた。

予測効果としてのTMB

実際、全集団で観察されたPFSの増加は、前述の研究と一致していた(PFS中央値5.6ヶ月 vs4.7 ヶ月ニボルマブ+化学療法vs化学療法単独; HR, 0.74)。
1年時点で、PFS率はそれぞれ26%と14%であった。また、PD-1阻害剤追加は、奏効に持続性がないようにみえたが、ORRの改善(36.7 % vs 23.1 %)をもたらした。それぞれ28 % vs 24 %の患者が1年を超えて治療効果を経験した。サブグループ解析は、この併用が非扁平上皮がんおよび高TMB(≧10 mut / Mb)の患者において特に有益であることを示唆している。
高TMBの患者では、1年間のPFS率は、それぞれ、化学療法+ニボルマブと化学療法単独(HR, 0.56)との比較で27 % vs 8 %であった。しかし、更に解析を深めていくと、CheckMate 227のニボルマブ+イピリムマブのチェックポイント阻害薬2剤レジメンで得られたPFSは、これらの結果を上回った(1年間のPFS率45%、HR, 0.48 vs化学療法)。重要なことは、両免疫チェックポイント阻害剤を投与された患者の奏効は、解析の時点でDOR中央値が未到達であり、非常に持続性があることが証明された。1年を超えるDOR率は、ニボルマブ+イピリムマブおよびニボルマブ+化学療法でそれぞれ93%と33%であった(図4)。一方、低TMB患者では、いずれの免疫療法(すなわち、ニボルマブ単独またはニボルマブ+イピリムマブ)の追加もPFS効果と関連性がなかった。
結論として著者らは、高TMB患者へのニボルマブ追加によりPFSに効果があったことから、PD-L1陰性患者にはTMB検査が臨床的に有意義である可能性があるとした。同時に、低TMB患者では、化学療法またはイピリムマブのいずれかと併用しても、ニボルマブは有益ではないようだった。

図4:PD-L1発現が1%未満の患者および高TMBの患者においてニボルマブ+イピリムマブ、ニボルマブ+化学療法、化学療法単独の奏効期間

 

早期および継続的なPROの改善

Reckらは、TMB≧10mut/Mbの患者を対象にニボルマブ+イピリムマブと化学療法を比較した、初期の患者報告アウトカム(PROs)を報告した[14]。PROは、平均症状負荷指数(ASBI)、肺がん症候スケール(LCSS)、最小重要度差(MID)および視覚アナログスケール(VAS)を含む、肺がん特異的尺度と一般尺度を用いる探索的評価項目として評価した。さらに、臨床診療の参考となるようにチェックポイント阻害剤併用の安全性プロファイルの特徴を明らかにした。
解析によればニボルマブ+イピリムマブによる治療を受けた患者には、症状と健康状態全般に速やかで持続的かつ臨床的に意義のある改善がみられた。LCSS ASBIによると、治療中、化学療法を受けた患者よりも疾患関連症状の悪化に遅延がみられた(未到達 vs 6.3ヶ月, HR, 0.43)。第12週目まで治療の有無にかかわらず、疾患関連症状の臨床的に有意な低下を有する患者の割合は、化学療法と比較して、チェックポイント阻害剤の併用をすることでより低くなった(22.3 % vs 35.0 % by LCSS ASBI)。最初の12週間以内にニボルマブ+イピリムマブで症状の改善、ベースラインと比べた症状の負担の減少は、治療期間の大半でMIDを超えた。一方、化学療法では、症状は平均してベースラインと類似したままだった。EQ-5D VASによると患者の健康状態全般は、最初の12週間以内に免疫療法レジメンで改善し、全体の治療期間でも同様の傾向がみられた。対照的に、化学療法を受けている患者は、最初の12週間ではなく、化学療法4サイクル終了後にのみ健康状態の改善がみられた。
3試験(CheckMate 227、CheckMate 012、CheckMate 568、n = 941)にわたって、ニボルマブ+低用量イピリムマブで観察された毒性は、一貫性があり管理可能であった。治療関連AE(有害事象)による中断率は低かった。一部の治療関連AEがみられた患者では、10週未満の中期間に大部分の事象が解決された。

NICOLAS:チェックポイント阻害剤+化学放射線療法の安全性

化学放射線療法(chemo-RT)とPD-1阻害薬の同時併用の実現可能性は研究として高い関心を集めている。免疫チェックポイント阻害薬と根治的胸部放射線療法(RT)の同時併用は一度も臨床試験として評価されていないため、第II相 NICOLAS試験は、切除不能な局所進行IIIA / B期非小細胞肺がん患者の一次治療として化学放射線療法にニボルマブの追加をしたときの安全性を評価する最初の試験であった。
化学療法を3サイクル(すなわち、シスプラチン+ビノレルビン、シスプラチン+エトポシドまたはシスプラチン+ペメトレキセド)および60Gy以上の総線量を投与した。ニボルマブの導入用量(最初の4回)は360mg Q3Wとし、その後、ニボルマブ開始から最長1年まで480mg Q4Wとした。主要評価項目は放射線治療後6ヵ月間に起こりうる肺炎の未発症率(グレード3以上)とした。
2017年9月に実施された放射線治療終了後、3カ月経過した21人の患者の安全性中間解析での肺炎発生は3人未満であった[15]。2018年2月まで安全性を追跡したコホート(n = 62)では、予想外のAEまたは安全性リスクの増加は観察されなかった。最も多かったAEは疲労、貧血、悪心であった。1年PFSは、患者74人の拡大コホートを対象に2019年に評価される予定である。

進行中の研究

GFR 過剰発現が腺は腺がんよりも扁平上皮がんに多いため、ペンブロリズマブとErbBファミリー阻害剤アファチニブとの併用が扁平上皮型肺がんに取り組むうえで有望なアプローチである。前臨床エビデンスは、免疫微小環境およびPD-L1腫瘍発現の両方が、EGFR遺伝子変異非小細胞肺がんにおいてEGFRシグナル伝達によって調節され得ると示している[16,17]。第II相非無作為化非盲検単群LUX-Lung IO / KEYNOTE 497試験では、一次治療としてのプラチナベースの治療中または治療後に進行した転移性もしくは局所進行の扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象に、アファチニブ+ペンブロリツマブの評価を目的とした臨床試験を開始した [18]。ORRを主要評価項目とする。
チェックポイント阻害剤の存在下でも腫瘍微小環境が効果的な免疫認識を妨げる可能性があるというエビデンスが増えている背景[19]に反して、進行中の第I / II相試験では、進行扁平上皮非小細胞肺がん患者を対象にニボルマブおよびイピリムマブを併用したトリプルキナーゼ阻害剤のニンテダニブを評価している [20]。この研究の根拠は、ニンテダニブによって阻害されるがん関連線維芽細胞が腫瘍微小環境の重要な構成要素であり、免疫細胞浸潤を改変することによって転移を促進するというところにある[21]。この試験は、第I相部分での最大許容用量および第II相で必要とされる用量の決定とは別に、未治療および治療歴がある患者に対して、ニボルマブ、イピリムマブおよびニンテダニブの同時投与がORRに関して有効であるかどうかを確認することを目的とする。

参考文献

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