「迅速な効果を求める場合には化学療法が必要」

インタビュー:Anne-Marie C. Dingemans, MD, PhD, Department of Pulmonology, Maastricht University Medical Center(オランダ・マーストリヒト)

Anne-Marie C. Dingemans, MD, PhD
Anne-Marie C. Dingemans, MD, PhD, Department of Pulmonology, Maastricht University Medical Center (オランダ・マーストリヒト)

NSCLC治療に対する化学療法の相対的な重要性が変わりつつあるなか、新たな治療法という点で抗がん剤の効果をどのように高められるとお考えですか?

肺がん患者さんへの治療法は分子標的治療薬や免疫療法といった新薬の登場で、ここ数年の間に大きく改善しています。しかし、いずれのデータを見てもすべての患者さんに効果を現しているわけではないので、化学療法がまだ必要になるのです。仮に複数の治療ラインの薬剤に耐性を示すようになったときにドライバー変異が見つかり、全身への効果が求められると、化学療法が必要となることもあります。免疫療法を行う際、こういった患者さんの一部にはまったく効果がなかったり、すぐに効果が現れなかったりすることも目にしています。PD-L1の発現率が低い患者さんや、肺がんでつらい思いをしている、とりわけ重い症状のある患者さんには即効性が必要なので、化学療法に非常に助けられることがあります。

化学療法はいずれ、他の治療法に取って代わられるとお思いになりますか?

そうは思いませんね。化学療法は放射線治療との併用でも必要になりますし、即効性が求められる患者さんにも必要になります。免疫療法にはあまり副作用がないように言われていて、グレード3や4の副作用の発現率を数字で見る限りは確かにそうです。ですが、化学療法の場合、グレード3や4の副作用というと好中球減少症がほとんどなので、患者さんにそれほど重い負担はかかりません。それに、こういった副作用は長く続きません。一方、免疫療法でまれに生じる副作用は長引くことがあり、患者さんが長い間苦しむおそれもあります。そのため、併用療法のパートナー、特に放射線治療の併用療法としてや、分子標的治療薬が使えない患者さんには、常に化学療法が必要になると思っています。

現段階では、他の治療法とどの抗がん剤の組み合わせが期待できそうですか?

化学療法と免疫療法の併用に期待しています。ただ、どの抗がん剤との組み合わせでも同程度の効果を発揮するのかが分かっていないので、どの抗がん剤が併用に最適なのかを判断しなければなりません。プラチナ製剤が入っていない化学療法を行えるかもしれないので、そうなると副作用の負担が軽くなることも考えられます。この点が研究の焦点になるかもしれません。

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