ALK融合遺伝子変異陽性肺がんおよびMET遺伝子変異陽性肺がんへの効果の高い選択肢
非常に選択性が高くCNS転移に有効なALK阻害薬のアレクチニブがALK融合遺伝子変異陽性NSCLC患者へのファーストライン治療としてクリゾチニブを上回る成績を収めたことが、国際共同試験の第Ⅲ相ALEX試験および、日本人患者を対象にしたJ-ALEX試験の第Ⅲ相試験で示された。アレクチニブは米国と欧州で承認を受けており、最近中国でも優先審査を経て承認されたばかりである。
非常に選択性が高くCNS転移に有効なALK阻害薬のアレクチニブがALK融合遺伝子変異陽性NSCLC患者へのファーストライン治療としてクリゾチニブを上回る成績を収めたことが、国際共同試験の第Ⅲ相ALEX試験および、日本人患者を対象にしたJ-ALEX試験の第Ⅲ相試験で示された。アレクチニブは米国と欧州で承認を受けており、最近中国でも優先審査を経て承認されたばかりである。
FLAURA試験の成績が報告されて以来、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者へのファーストライン治療にどのEGFR TKIを選択するかで議論が起きています。どういった点がこの試験の限界だと、今はお考えになりますか? ゲフィチニブとエルロチニブに比べてオシメルチニブには生存期間などへの効果があることが、この試験で示されています。しかし、対照群にアファチニブを含めなかったことで、得られるはずだった知見を得ることができなくなりました。
ⅢA~N2期のNSCLC患者に現在行っている集学的治療には、根治的化学放射線療法、手術とアジュバント化学療法、ネオアジュバント療法と手術がある。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるエルロチニブを、 ⅢA~N2期のNSCLCへのファーストラインのネオアジュバント療法として使用できることはすでに示されている。そこで、EGFR遺伝子変異陽性の局所進行NSCLC患者を対象にした非盲検ランダム化試験の第Ⅱ相CTONG-1103試験で、エルロチニブをシスプラチンベースのネオアジュバント化学療法・アジュバント化学療法と比較した。
初期の局所進行(Ⅰ~ⅢA期)非小細胞肺がん(NSCLC)患者には通常、手術を行うことが多いが、長期転帰には不満が残る。手術だけを行った場合の再発率はかなり高く、50%を超えている。再発防止策として周術期化学療法を行ったとしても、手術単独に比べて5年生存率がわずか5%改善するだけである 。そのため、腫瘍作用を強化し、微小転移巣を根絶するのを目標に、抗PD-L1抗体薬を用いるネオアジュバント療法を評価することになった。
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の年次総会は、ヨーロッパで行われるがんの国際会議としてはトップクラスのものだ。ドイツ・ミュンヘンで10月19日から23日に開催した今年の会議は、「最適ながん治療を誰もが受けられるように」というテーマの下に行われた。がん治療に携わる専門医をはじめ、医療分野の政策立案者、患者支援団体など、世界各国からおよそ2万5000人が一堂に会し、がんに関する新しい知見を患者の治療に生かすためのイノベーションや主な課題について議論が交わされた。