EGFR-変異肺癌:新たなデータを考慮した大きな話題としての優先順位付け

第一世代上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR TKI)エルロチニブおよびゲフィチニブのほか、第二世代EGFR TKIアファチニブも、EGFR-変異NSCLC患者の推奨第一選択肢である[1]。しかし、初期奏効の程度に関わらず、患者の60%以上はT790M耐性変異を発症した[2]。EGFR変異とEGFR T790M耐性変異の両方の活性化に対して選択性がある第三世代EGFR TKIオシメルチニブが、進行T790M-陽性NSCLC患者の治療のために米国と欧州で最近承認を受けた。

早期NSCLCの切除後のCTベースの経過観察に関する無作為化所見

早期NSCLCの手術後の最適な経過観察に関して、ESMOガイドラインでは、病歴、身体検査、そしてできれば12ヶ月時と24ヶ月時の造影スパイラル胸部CTを含む通院により、2~3年間、6ヶ月毎に患者観察を実施することを推奨した[1]。その後、二次原発腫瘍(SPC)を発見するために病歴、身体検査、胸部CTを含み年1回の通院を実施する必要があった。しかし、これらの勧告は無作為化臨床試験に基づいたものではなく、そのため、軽度から中等度の証拠だけがある。

SCLCでの有望なアプローチとしての免疫刺激

9~11ヶ月のOS中央値の悪い転帰を示す進展型小細胞肺癌(SCLC)に関して満たされない高い医学的ニーズがある。第一選択化学療法では一般的に際立った奏効を示すが、奏効者は通常、限られた期間の疾患制御のみを経験する。 免疫系の活性化によってこれらの患者の疾患安定性を延長し、結果として最終的に生存期間に影響を及ぼすという仮定に基づいて、Thomas等はToll様受容体9(TLR9)作動薬Lefitolimodの活性を評価した。

免疫療法: 進歩の最先端でもう一度

非小細胞肺癌(NSCLC)患者の約1/3がステージIIIの局所進行疾患を示している。良好な一般状態であって、切除不可能な腫瘍のあるそれらの患者の場合、標準治療はプラチナベース二剤化学療法と併用放射線療法である。数年間にわたってこの条件では大きな進展が生じなかったため、生存率を引き上げる新規治療方法に対する顕著なニーズが満たされていない。転移性疾患でのチェックポイント阻害剤の有効性に関して、ステージIIIの局所進行、切除不可能NSCLC患者の免疫チェックポイント阻害を評価するため、最初の無作為化フェーズIII試験として国際二重盲検PACIFIC試験が開始された。

序文

2017年9月8日~12日にスペイン・マドリードで開催された今年のESMO学会で、治療法を変える可能性のある肺癌分野での注目に値するデータが発表された。臨床研究者は免疫治療薬の最適使用量を決定する多数の条件と制限を休むことなく調査しているため、免疫治療薬アプローチが再び大きな話題となった。 本号のメモ イン・オンコロジーでは、PD-L1の発現に関わらずPD-L1阻害薬アテゾリズマブの活性を確認し、患者の血液中の腫瘍変異負荷量の評価が実現可能で、治療の利点と相関することを示したOAKとPOPLARの臨床試験の分析を詳しく説明する。

ALK融合遺伝子変異陽性肺がんおよびMET遺伝子変異陽性肺がんへの効果の高い選択肢

非常に選択性が高くCNS転移に有効なALK阻害薬のアレクチニブがALK融合遺伝子変異陽性NSCLC患者へのファーストライン治療としてクリゾチニブを上回る成績を収めたことが、国際共同試験の第Ⅲ相ALEX試験および、日本人患者を対象にしたJ-ALEX試験の第Ⅲ相試験で示された。アレクチニブは米国と欧州で承認を受けており、最近中国でも優先審査を経て承認されたばかりである。

インタビュー:EGFR TKI療法の順番を重視するいくつかの理由

FLAURA試験の成績が報告されて以来、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者へのファーストライン治療にどのEGFR TKIを選択するかで議論が起きています。どういった点がこの試験の限界だと、今はお考えになりますか? ゲフィチニブとエルロチニブに比べてオシメルチニブには生存期間などへの効果があることが、この試験で示されています。しかし、対照群にアファチニブを含めなかったことで、得られるはずだった知見を得ることができなくなりました。

EGFR遺伝子変異陽性肺がん:活性および耐性に関する新たな知見とは?

ⅢA~N2期のNSCLC患者に現在行っている集学的治療には、根治的化学放射線療法、手術とアジュバント化学療法、ネオアジュバント療法と手術がある。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるエルロチニブを、 ⅢA~N2期のNSCLCへのファーストラインのネオアジュバント療法として使用できることはすでに示されている。そこで、EGFR遺伝子変異陽性の局所進行NSCLC患者を対象にした非盲検ランダム化試験の第Ⅱ相CTONG-1103試験で、エルロチニブをシスプラチンベースのネオアジュバント化学療法・アジュバント化学療法と比較した。

すべての治療ラインで免疫チェックポイント阻害薬が優位に

初期の局所進行(Ⅰ~ⅢA期)非小細胞肺がん(NSCLC)患者には通常、手術を行うことが多いが、長期転帰には不満が残る。手術だけを行った場合の再発率はかなり高く、50%を超えている。再発防止策として周術期化学療法を行ったとしても、手術単独に比べて5年生存率がわずか5%改善するだけである 。そのため、腫瘍作用を強化し、微小転移巣を根絶するのを目標に、抗PD-L1抗体薬を用いるネオアジュバント療法を評価することになった。

巻頭言

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)の年次総会は、ヨーロッパで行われるがんの国際会議としてはトップクラスのものだ。ドイツ・ミュンヘンで10月19日から23日に開催した今年の会議は、「最適ながん治療を誰もが受けられるように」というテーマの下に行われた。がん治療に携わる専門医をはじめ、医療分野の政策立案者、患者支援団体など、世界各国からおよそ2万5000人が一堂に会し、がんに関する新しい知見を患者の治療に生かすためのイノベーションや主な課題について議論が交わされた。

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